明日 仁 社会保険労務士
プロフィール

山形県出身。不動産会社に勤務しながら2006年に行政書士試験に合格、2011年には社労士資格も取得し、2012年に新宿総合労務事務所を設立。事務所の基本方針は「人と人、人と企業をつなげる懸け橋」。ビジネス分野の総合病院を目指した活動は人事労務問題にとどまらず、顧客が抱えるさまざまな問題点を徹底的に洗い出して分析、幅広い専門知識や経験を活用しながら問題解決へと導く。

アクセスのよい新宿で事務所を開業
外国人が関係する労務問題にも取り組む

───事務所を新宿におかれているのは何か理由がありますか。

明日社労士新宿は大きなターミナル駅なのでアクセスがいい、というのはもちろんですが、歌舞伎町があるので、将来的に社労士や行政書士の仕事が豊富というのも理由の一つでした。

今は西新宿ですが、最初に事務所があったのは、同じ新宿でも百人町、駅でいうとJRの大久保駅周辺です。あのあたりは外国人が多いので、ビザ関係の仕事や、外国人を従業員に抱えている会社の顧問なんかが多かったですね。

外国と日本とでは働き方というか、労働に対する考え方がまったく違うんで、どうしても労務問題が発生しがちなんです。

───具体的にどんな問題があるのでしょうか。

たとえば定時が17時だとして、日本人なら残務があれば少し残業して片付けてから帰りますよね。でも外国人だと17時きっかりで帰ってしまうことがあります。そもそも仕事に対する考え方が違うわけで、どちらが良いとか悪いということではなく、そういう考え方の違いを念頭に置いておく必要があるんです。

また、アルバイトというと海外ではあくまでも空き時間に仕事するというような考え方なんですが、日本では正社員のようにきっちりシフトが組まれていて、気軽には休めません。もちろん海外でも簡単に休んでいいわけではないでしょうが、日本のようにはうるさくないでしょう。だから、なんでアルバイトなのに正社員みたいに働かなきゃいけないんだ、とこれも彼らにとってはストレスになります。

また、留学生のアルバイトだと週に28時間までしか働けないんですが、そういう知識のない会社に言われるまま働いてしまい、あとで留学ビザから就労ビザに切り替えるときなどに発覚して、許可がおりなくなってしまうなんていう可能性もあります。

外国人を雇用する企業は、そうした日本人との違いをきちんと理解したうえで採用するべきですね

社労士、行政書士をはじめ医療労務コンサルタントなど
多彩な資格を駆使して企業と人にまつわる諸問題を解決に導く

───社労士のほかに行政書士の資格もお持ちですが、やはりメリットは大きいですか。

明日社労士そうですね。たとえば会社設立だと、設立前の相談や助成金申請、設立後の人材採用や就業規則などをワンストップで対応できますので、依頼する企業も別々に頼むより手間がかからないということはあると思います。

また、許認可申請は基本的に行政書士の業務ですが、人材派遣業とか有料職業紹介事業なんかは社労士しかできません。そうした業務にも対応できるメリットもあるでしょうね。

───医療労務コンサルタント、メンタルヘルスマネジメントといったものもお持ちです。

これは社労士の業務に含む資格です。よくマスメディアでも取り上げられますが、医療や介護の現場は、労務状況がかなり厳しいので、そこをできるだけ改善できるようアドバイスすることがあります。

たとえばお医者さんには「患者さんのため」という信念で働いている方が多く、日ごろから無理をしてしまいがちなんです。そういう方が、何かの拍子に急に体調を崩してしまうケースが少なくありません。医療労務コンサルは、そうした医療機関などに対して、業態にあった労務管理を提供するというイメージです。

ただ実際は、制度に現実が追いついておらず、改善したくてもできないことが多いのですが……。

メンタルヘルス・マネジメントは、まだまだ十分な理解を得られていないメンタルヘルス、うつ病などに対する仕組みづくりをする仕事です。今年から、従業員50人以上の企業には「ストレスチェック」が義務化されるというトピックもありますが、メンタルヘルスは企業全体で取り組まないとなかなか整備が進みませんので、そうした提案をさせてもらいます。

───メインの業務、得意分野などはありますか。

メインというわけではありませんが、やはり助成金、補助金申請は多いですね。

助成金というのは、当たり前ですが申請すれば取得できるというわけではありません。また、OKは出てもすぐにお金が入ってこない場合もあります。ですから、単に手続きだけを代行するのではなく、その企業の長期的な雇用計画や人員計画の中に組み込んでおくべきものなんです。

たとえば、来年もう1店舗出店したい、という計画であれば、人材育成のための助成金を使ってスタッフを採用しましょうといった提案が可能といった具合に、先を見通して計画を立てたりアドバイスしたりできます。

企業のお金をみるのが税理士なら、人の部分をみるのが社労士、というイメージでしょうか。

数人の規模であれば社長さんがご自身でみられるとは思いますが、人を増やして会社を大きくしたい、しっかりした組織を作っていきたい、という経営者には、社労士がお役に立てると思いますね。